東京都墨田区の賛育(さんいく)会病院を運営する社会福祉法人「賛育会」が、7月から望まぬ妊娠に悩む女性などを対象とした匿名での妊娠電話相談を始めた。孤立出産のリスクを抱え、誰にも知られたくない妊婦や生活の困窮の問題を抱える人たちを想定。女性の秘密を守りながら、サポートしていくという。

 同会は2023年9月、「赤ちゃんのいのちを守るプロジェクト」として、病院の担当者のみに身元を明かして出産する「内密出産」、匿名で赤ちゃんを預け入れられる仕組み、匿名で妊娠の相談に応じる事業を24年度中に開始すると表明。今回の相談事業はその一環といい、ほかの二つの事業についても都や区と協議を続けているという。

 匿名で子どもを預かる「こうのとりのゆりかご」や内密出産については、熊本市の慈恵病院が独自に取り組んでいる。内密出産について、市と同病院は国に法制化を求めているが、現時点で見通しは立っていない。

 電話相談(03・4400・4527)は、月・水・金曜の午後4~9時。居住地や名前などを聞くことなく、助産師や看護師資格をもつ女性相談員が応じる。無料。(大貫聡子)

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