徳島県鳴門市は来春に小学校に入学する1年生の希望者に、通学用のリュックサック1個を無償配布する。ランドセルより軽いリュックで子どもの身体的な負担を軽減するとともに、子育て世帯を経済的に支援する狙い。今春に入学した1年生から始めた事業で、その1年生の98%から申し込みがあり、今年度も実施する。

 リュックは、アウトドア用品大手のモンベル(大阪市)の通学用バックパック「わんパック」(1万4850円)で、高さ35センチ、幅25センチ、奥行き16.5センチ。普通のランドセルとほぼ同じサイズだが、ナイロン製で重さは930グラムと、天然皮革製より500グラム前後、人工皮革製より300グラム前後軽いという。

 今春入学した1年生のランドセルの購入金額平均は5万9138円(日本鞄(かばん)協会ランドセル工業会調査)と負担は軽くない。

 市は、市に住民票があり来春に新1年生となる子どもが349人いるとして、今年度は380万円を予算化した。5月下旬には新1年生のいる世帯に案内文を送付。案内文に記載された専用フォームで、青、茶、赤の3色からリュックの色の選択などをして申し込んでもらう。色の希望は先着順。

 ランドセルとの併用も可能で、ランドセルを買っていても申し込みできる。1次締め切りは8月末で、10月に引き換え証を郵送し、11月の新入学児童の就学時健康診断会場で引き換える。最終締め切りは、1年生が終わる2026年3月24日。

 市によると、岡山県備前市や富山県立山町などの自治体でもリュックを無償配布しているという。(高橋孝二)

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