【遊ばない子どもたち】
幼稚園や保育園以外では、週に一度も外遊びをしていない幼児が一定数いる。
笹川スポーツ財団が幼児の遊びや運動について初めて調べてみたところ、そんな実態がわかった。お金のかからない外遊びにも、家庭の経済状況が影響を与えている可能性が浮かびあがった。
調査は昨年11月、インターネット上で全国の3~6歳の幼児の保護者を対象に行った。3144の有効回答を得た。園外での外遊び、室内での運動遊び、運動の習いごとの状況を調べた。
過去1カ月における平均的な活動状況を尋ねたところ、1週間のうち、園外で「1日も外遊びをしていない」幼児は8・1%で、約12人に1人の割合となった。平日に限ると、園外で「全く外遊びをしない」幼児は46・6%となった。財団の武長理栄さんは、「幼児には付き添いが必要。共働き家庭が増え、園が終わったあとに遊ぶ時間がないことも影響しているのではないか」と分析する。祖父・祖母と同居している場合、幼児の園外での週の総運動時間は8時間となり、核家族よりも1時間18分長かった。
ひとり親家庭の幼児は、園外で「週に1日も外遊びをしていない」が13・3%で、両親のいる家庭よりも5・4ポイント高かった。また、運動やスポーツの習いごと実施率は24・8%で、両親のいる家庭よりも9ポイント近く低かった。「経済的事情とともに、日常的に子どもの遊びを見守ったり、一緒に遊んだりする時間、体力の余裕がない可能性もある」とみる。
調査では過去3カ月における幼児の遊びの内容も聞いた。おにごっこやかけっこなどの「走る遊び」やなわとびなどの「ジャンプする遊び」は取り入れられていたが、「物を打つ遊び」、逆立ちなどの「逆さまになる遊び」といった他者のサポートを必要とする動きは少なかった。
武長さんは「幼児期は運動スキルが一気に発達する大事な時期。自ら動いて楽しいと思う経験が生涯スポーツに親しむためにも大切となる。遊びからスポーツの基本となる多様な動きを経験してほしい」と話す。「諸外国では公園に子どもと一緒に遊ぶ専門員を配置しているところがある。社会全体で幼児と保護者をサポートする取り組みをすすめてほしい」と話した。
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子どもたちの外遊びや体を動かす遊びが減っています。どうしてなのか。なにか対策をとる必要があるのか。朝日新聞フォーラム面がアンケートを行っています。みなさんのご意見や体験談をお寄せ下さい。7月4日午後2時まで。サイトでは回答者の自由記述を読むこともできます。(藤田絢子)
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