勉強のためにアイドル活動を休む
『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)低い成績から、誰もが驚くほどの成長を遂げ、東大に逆転合格した生徒たちの勉強ノウハウを紹介する本連載。今回は特別編です。
アイドルグループの乃木坂46のメンバーとして活躍する一方で、学業を両立させ、慶応義塾大学を卒業。現在もさまざまな番組でマルチに活躍する山崎怜奈さんに、前回に引き続き、大学受験に関するお話を伺いました。
西岡:今回は大学受験の意義についてお話を伺いたいと思います。アイドル活動をしながら、受験勉強もしていたとのことですが、勉強のためにアイドル活動をお休みしていた期間もあったのですよね。
山崎:そうですね。主要都市をまわってライブをする夏の全国ツアーが、受験の追い込み時期と重なっていたので、高校3年生の6月から3カ月間お休みをいただきました。
西岡:逆に言うと、それ以外の期間はずっと高校生活とアイドル、そして「受験生」のすべてをこなしていたわけですよね。大変でしたよね?
山崎:すごく大変だった記憶はあります。それこそ、高校時代は、休み時間に課題をやったり、休んでしまった分のノートを借りたり、先生にも質問をしにいったりしていました。アイドルとしてのお仕事中も、移動の時間や休憩時間を使って、ずっと単語帳を見ながら勉強していました。
西岡:途中で受験勉強をやめようとは、思わなかったですか?
山崎:不思議と途中でやめようと思ったことはなかったですね。自分でやる前から可能性をつぶすのは嫌だったんです。
やってもいないのに、最初から諦めるという選択肢は、自分の中にはありませんでした。逆に『やってみてダメだったらやめよう』という気持ちでしたね。
アイドルも受験も今しかできない
西岡:その原動力はどんなものだったのでしょうか?なぜそこまでして受験をされたのでしょうか?
山崎怜奈さん(写真:マウントケープ提供)山崎:運を無駄にしたくない、という感覚が強かったのかもしれません。いい環境で働ける縁・タイミングは得がたいものですし、行きたい大学に出会う縁・タイミングもまた、なかなか得られないものだと思います。
私の場合は、そのタイミングが同時に来たんだろうな、と考えていました。アイドルも今しかできないし、大学受験だって今しかできない。だからこそ、とにかく両方、全力でやってみようと思った、というのが素直な感覚なのかなと思います。
西岡:ドラゴン桜でも、『運に乗れ』という言葉が出てきます。本当は恵まれた縁があるのに、それに気が付いていない生徒に対して、桜木先生が声を掛けるのです。
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(漫画:©︎三田紀房/コルク)(漫画:©︎三田紀房/コルク)(漫画:©︎三田紀房/コルク)西岡:桜木先生が言いたかったのは、「縁があったり、チャンスがあったりしたら、とにかく飛び込んでみるべきだ」ということだったのだと思います。その点を、山崎さんは非常に強く意識されていたのだろうな、と。
山崎:そうかもしれません。また、私は「ダメでもいい」とも思っていました。受験で落ちたとしても、それもまたいい経験になるのかな、と。
西岡:なるほど。山崎さんとしては、受験に落ちるのは怖くなかった、ということでしょうか。
山崎:もちろん落ちたくないとは思っていましたよ。でも、アイドル時代は、人と比べられたり、ダメだと思われていると感じるのは日常茶飯事だったんですよね。
いろんな競争があって、その中で評価されることは当たり前です。逆に、「受験に落ちたからって、自分のことを評価する1つの分野がダメだったということでしかない」と感じていたように思います。
この連載の一覧はこちら西岡:よく、受験に落ちたときに、「自分のすべてがダメだと、レッテルを貼られた気分になる」という人がいますが、そうではなかったわけですね。
山崎:受験に落ちるというのは、アイドルとしての自分の感覚で言えば、「ファンの方と相性が合わなかった」「アンチと自分が合わなかった」みたいな感覚でしたね。
実際に受験して得た学び
西岡:山崎さんならではの感覚ですね。実際に受験してみて、どうでしたか?
山崎:私は、AO入試(現在の総合型選抜)と一般入試の両方を受けたのですが、楽しかったですよ。センター試験(現在の共通テスト)の会場の雰囲気は今でも覚えていますし、あれは受けないとわからないと感じました。
また、AO入試の際に大学の先生とお話しさせていただいたのですが、それも私にとって非常にプラスな経験になったと思います。冷静に考えると、この年齢の若者が、何かの分野でトップを走っている大学の先生とお話しする機会なんて、なかなかないですよね。
西岡:受験自体も、楽しまれていたんですね。そういう感覚で受験をするというのはとてもいい発想だと思いますし、多くの若者に伝えたいことだなと思います。
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