【オスロ時事】日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞を記念し、核軍縮などを議論するフォーラムが11日、ノルウェーのオスロ大学で開かれた。過去の受賞団体代表に加え、広島と長崎の被爆者2人も登壇。それぞれが自身の被爆体験を語り、「核なき世界」に向けた行動を世界に呼び掛けた。
フォーラムの題目は「核兵器―脅威にどう対抗するか」。被爆者代表として、広島市出身で通訳者の小倉桂子さん(87)と、長崎で被爆した日赤長崎原爆病院名誉院長の朝長万左男さん(81)が講演。小倉さんは英語で被爆体験の証言を続け、朝長さんも長年医師として被爆者医療に携わってきた。
小倉さんは「家々は破壊され、真っ暗で何も聞こえなかった」「水を飲んだら皆死んでいった。(何もできなかった)私が人々を殺したと自分を責め続けた」と生々しく詳述。「死ぬ前に核のない世界を見たい。いつかそうできると信じている」と訴えると会場から拍手が湧いた。朝長さんも2歳の時の被爆体験を語り、「核廃絶を実現するための責任」を実行していこうと呼び掛けた。
フォーラムには、2017年に平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」、05年受賞の国際原子力機関(IAEA)、1995年受賞の国際科学者団体「パグウォッシュ会議」各代表と有識者がパネリストとして参加。「核戦争のリスクを軽減し、核軍縮を進めるための戦略」(ノーベル賞委員会)を巡り意見を交わした。
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞を記念するフォーラムで、被爆体験を証言する小倉桂子さん(中央)と朝長万左男さん(右)=11日、オスロ
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