アイドルグループAKB48が拠点とする東京・秋葉原の「AKB48劇場」が8日、初の全面リニューアル工事を終え、新劇場としてオープンした。定員250人で旧劇場と規模は変わらないものの、LEDなどの最新技術を駆使し、より迫力のあるパフォーマンスを演出する。
「やっと劇場が戻ってきた」
商業ビル8階にある劇場は、今年9月にリニューアル工事に入り、約3カ月間閉館していた。その間、AKB48は全国20都市を巡る「出張公演」を開いてきた。
グループの4代目総監督・倉野尾成美さんはオープニングセレモニーで「やっと、私たちの劇場が戻ってきました。新しくなった劇場とともに、私たちもここで成長していきたいという気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せた。
高橋みなみさん「始まりの場所でありホーム」
この日は2005年12月8日の旧劇場オープンから19周年で、「20周年イヤー」のスタートの日。セレモニーには、19年前のステージに立った初代総監督・高橋みなみさんも駆けつけた。
高橋さんは「AKB48劇場は、今まで在籍してきたすべてのメンバーにとって、始まりの場所でありホームだと思います。改修工事に入ると聞いたときは寂しさもあったんですけれど、今日、この完成した劇場を見て、これでよかったんだな、今のメンバーにとって素晴らしい環境になったなと思いました」と話した。
AKB48は「会いに行けるアイドル」をコンセプトに活動を始めたが、当初の公演では観客が7人だけという日もあった。それでも地道に劇場での公演を重ねてブレークし、国民的アイドルグループへと駆け上がった。
再び「劇場から東京ドームへ」
結成当初から目標としていたのは、劇場から直線距離で「1830メートル」とされる東京ドームでのコンサート。高橋さんや前田敦子さん、大島優子さんらが在籍していた12年に初めて達成したが、14年を最後に開催していない。
倉野尾さんはセレモニーで東京ドームを目標にしていることを明かし、「軽々しく言っていい言葉ではない気がしていました。でもスタッフやたくさんの方が、今のAKB48のために準備をしてくださっている姿を見て、私たちもそれに応えていきたいなという気持ちで、東京ドームに行けるようなグループにしたいと宣言させていただきました」と語った。
この言葉に応えるように、高橋さんは後輩にエールを送った。
「夢を掲げる、言葉にするというのがどれだけ大変なことかというのは総監督時代に経験させていただいているけれど、誰かがスタートを切らないと、そこに向かって走り出すのは難しい。私たちも当初は『無理無理』と笑っていましたが、劇場公演を積み重ねた。劇場公演はAKB48を新しいフェーズに連れて行ってくれるものだと思います。ここから始まるんだと思ったときに東京ドームに立ちたいと思えたのは素晴らしいし、かなえてほしいと思います」
秋元康氏9年ぶりの書き下ろし、新公演「ここからだ」スタート
セレモニー後、プロデューサーの秋元康さんが約9年ぶりに書き下ろしたオリジナル新公演「ここからだ」がさっそく開かれ、初日のメンバーに選ばれた16人が新しいステージでパフォーマンスを披露した。
倉野尾さんは客席を埋めるファンに向けて、改めて決意の言葉を口にした。
「秋元さんがつけてくださった『ここからだ』には、今のメンバーでAKB48の第2期黄金時代をつくって欲しいという願いが込められています。メンバー42人全員でAKB48です。42人で目指すステージは東京ドームのステージです。決して簡単な道のりではないことは分かっています。メンバー一人一人がそうした気持ちを持って活動していく先に、そのステージがあると思います」
新劇場では今後も旧劇場と同様に、連日、公演が開催される予定。今月25日には、昭和、平成、令和の各時代のアイドル楽曲を集めた初のカバーアルバム「なんてったってAKB48」をリリースする。
- 「20周年イヤー」AKB48の初挑戦 時代彩るアイドル曲をカバー
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