南米パラグアイで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会は5日、日本酒や本格焼酎などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録した。各地の風土に応じて杜氏や蔵人らが築き上げた独自の技術の価値を認めた。日本からの登録は2022年の豊作祈願や厄払いの「風流踊」以来23件目。国内消費が縮小する中、関係者らは登録を機に輸出拡大や地域活性化、技術の継承につなげたい考えだ。
事前審査したユネスコ評価機関が11月に登録を勧告した。伝統的酒造りの知識と技術が「社会にとって強い文化的意味を持つ」と指摘。祭事や婚礼といった日本の行事に酒が不可欠で、酒造りが地域社会の結束に貢献しているなどとし、登録にふさわしいと結論付けた。
伝統的酒造りは、カビの一種のこうじ菌を使い、蒸したコメなどの原料を発酵させる日本古来の技術。各地で杜氏らの手作業によって洗練され、継承されてきた。複数の発酵を同じ容器の中で同時に進める製法は、世界でも珍しいとされる。
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