大阪・難波を拠点とするアイドルグループ「NMB48」のメンバーで、朝日新聞の連載「NMB48のレッツ・スタディー!」小論文編や演劇編を担当した佐月愛果(さつき・あいか)さん(22)が28日、グループを「卒業」した。

 この日、難波のNMB48劇場で開かれた卒業公演で佐月さんは加入以来4年余りの活動を振り返り、「アイドルになることは、私が初めてかなえられた夢だった。アイドルとしての道は平らではなかったけれど、ファンの方々の愛によってここまで来られた。大勢いるアイドルの中から私を見つけて応援してくれた全てのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」と述べ、「また、すぐにお目にかかることができれば」と話した。

 この日の卒業公演は、佐月さんが所属する「チームN」のレギュラー公演である「N ship」公演として開かれ、同じチームのメンバーや、かつて佐月さんがキャプテンを務めたチームに在籍したメンバーたちが新たな出発を見送った。

 佐月さんは、コロナ禍で観客の入場数が制限されたり、客席からの声援などが制約されたりしていた20年秋、7期生11人のうちの1人としてNMB48に加入。「チームBⅡ研究生」(のちに「佐月チームBⅡ」)のキャプテンをつとめ、若手中心のメンバーでつくるチームを力強く牽引(けんいん)した。

 子どもの頃から劇団で活動し、ミュージカルなどの舞台に数多く立っていた経験を生かし、NMB48に入ってからも、舞台「ナビゲーション」(23年、東京・大阪)で主演をつとめるなど、いくつもの舞台に出演。表現力に優れたアイドルとして独特の存在感を発揮したほか、宝塚歌劇団の舞台の熱心なファンとしての情報発信などでも知られた。今年5月からは、演劇の楽しみ方やおすすめの舞台などを紹介する「レッツ・スタディー!」演劇編の連載を朝日新聞で担当していた。

 この日の公演で、佐月さんの後輩にあたる8期生の松本海日菜(みひな)さんは「先輩たちと私たちの架け橋役として意思疎通をはかってくれた」と涙交じりに感謝の気持ちを述べたほか、同期生の平山真衣さんは「(豊富な舞台経験がある佐月さんが)演技の仕事をすると一瞬で雰囲気が変わり、周りの目をひきつけるオーラを放っていた」と振り返った。

 兵庫県尼崎市から来たファンの男性は「楽曲の世界観を体現する卓越した表現力をもち、どんなときも全力でステージに取り組んでいた。誰も経験したことのないコロナ禍のさなかにアイドル活動を始め、多くの制約を乗り越えながらファンを楽しませようとしていた姿が印象に残っている。仕事で落ち込んでいたときも、佐月さんの姿をみれば勇気がわいた」と振り返った。

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