【ロンドン共同】英大手書店チェーンのウオーターストーンズは28日、2024年の「今年の一冊」に柚木麻子さんの著書「BUTTER」英訳本を選んだと発表した。「実在の“婚活殺人”を基に、現代の日本の性差別や女性蔑視を深く掘り下げている」と評した。
英国で2月に発売され話題を呼んでいた。日本人作家の英訳本がウオーターストーンズで今年の一冊に選ばれるのは初めて。
首都圏連続不審死事件で男性3人への殺人罪などに問われた木嶋佳苗死刑囚をモチーフにした一冊。物語に登場する「若くも美しくもない」女性は、男性3人の財産を奪って殺害したとされる被告。面会をした週刊誌記者の女性が、料理の話題を通じて事件の真相に近づく。
柚木さんはウオーターストーンズのインタビューに「ここまで受け入れられるとは思っておらず、とても驚いた。男女平等が進んだ英国では悲惨な世界を描いただけと捉えられるかと思ったが、そうではなかった」と喜びを語った。
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