戦後日本を代表する詩人の谷川俊太郎さんが13日、老衰のため92歳で死去した。最晩年まで旺盛な創作意欲を持ち続け、詩や絵本、翻訳など膨大な作品を残した。作品は世界中で愛され、交流のあった文化人からは19日、「圧倒的な力を持つ『言葉の使い手』だった」など悼む声が相次いだ。
谷川さんの詩は英語や中国語、デンマーク語など世界各国の言語に翻訳され、海外の教科書にも掲載されている。
「才能と勤勉さ、努力。謙虚な心を持ち、老いるまで詩を書いた」。谷川さんの詩を中国語に翻訳してきた詩人の田原さんは「人類共通の喜びや悲しみが表現され、訳されても(価値が)落ちない」とたたえる。
歌人の俵万智さんは「言葉と現実世界が完全に一致することはない中で、その二つを最も近づけることができたのが谷川さんだった」
谷川さんは、朝日新聞の連載で毎月詩を書き下ろしていた。17日付朝刊に掲載された「感謝」と題した一編には、死を予感しているかのような言葉が並ぶ。
「目が覚める/庭の紅葉が見える/昨日を思い出す/まだ生きてるんだ」
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