上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、雄のリーリーと雌のシンシンが29日、中国に向けて出発した。多くの人々が見送りに集まり、2頭を乗せたトラックに向かって手を振って別れを惜しんだ。

午前4時ごろ、リーリーとシンシンを乗せたトラックは上野動物園を出発し、成田空港に向かった。未明にもかかわらず同園近くの沿道には数十人のファンが集まり、スマートフォンで写真を撮ったり大きく手を振ったりして見送った。

出発後に取材に応じた福田豊園長は「2頭が中国へ帰るのは寂しいが、ありがとうという気持ちの方が強い」と感謝。「2011年の来園以来、たくさんの方々を笑顔にしてくれた」と振り返った。

リーリーとシンシンは高血圧の症状があり、今後、中国で治療を受ける予定。シンシンは17年のシャンシャン(雌)に続き、21年にはシャオシャオ(雄)とレイレイ(雌)の双子を産んだ。リーリーとシンシンの返還により、上野動物園のパンダはこの双子の2頭のみとなる。

中国に返還されるため、輸送箱の中に入れられたジャイアントパンダの「リーリー」(左写真)と「シンシン」=29日、東京都台東区の上野動物園(公益財団法人東京動物園協会提供)

ジャイアントパンダの「リーリー」と「シンシン」を乗せ、上野動物園を出発するトラック=29日未明、東京都台東区

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