大正ロマンの画家として知られる竹久夢二(1884~1934年)が描いた日本画2点が新たに見つかったと、竹久夢二美術館(東京)が27日発表した。立ちびなを描いた「白桃や」と梅花の下で羽根突きをする舞妓を描いた「南枝王春」で、いずれも友人に贈った作品。同館で28日から公開する。
担当学芸員は「未公開の肉筆画で色使いや仕上げも丁寧。仲間を思って念入りに制作したことが伝わる」としている。
2点は短歌を愛好する「春草会」で夢二と共に活動した弁護士で最高裁判事も務めた小林俊三(1888~1982年)の旧蔵。6月に遺族から寄託された同館が調査し、画風や署名から夢二作と確認した。
「白桃や」は29年制作。夢二が関わった裁判で代理人を務めた小林への礼として、絵に自作の句を添え手紙と共に贈った。「南枝王春」は昭和初期の制作。春草会の仲間だった編集者に夢二が贈り、後に小林が買い取ったという。
小林は法律関係の出版物に2点に関するエピソードを寄稿していたが作品が公開されたことはなかった。展示は来年1月26日まで。
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