不安な生活、力強く生きる人々写す

東京会場の国連大学前の野外広場には、マグナム・フォト所属の3人の写真家が撮影した63作品が並んだ。題材は、不安な生活を強いられながらもたくましく生きる人々の姿や、国際機関の現場での支援。写真家はそれぞれ、ベトナムの児童婚が残る地域、ルーマニアにおける戦火を逃れたウクライナの子供たち向けの支援機関、エチオピアの難民キャンプで撮影した。

ウクライナ避難民の子どもたちの姿

ルーマニアを舞台にした作品は、マグナム・フォトのオリヴィア・アーサー氏が撮影。ウクライナから避難した子供たちが、施設で影絵やペーパークラフトの飾りを創作する姿などを撮った。


ウクライナからルーマニアに避難した子供が影絵でつくったハートを捉えた作品。説明するのは撮影者のマグナム・フォトのオリヴィア・アーサー氏(ニッポンドットコム編集部撮影)

オリヴィア氏は「子供は、戦火を経験しても、避難民になっても、自ら遊びを見つけクリエーティブに生きられることを伝えたかった。それは、心の中に遊び心やイマジネーションがあるからだ」と語った。

マグナム・フォトは、写真家ロバート・キャパらが1947年に創設した国際的な写真家集団。歴史に足跡を残す多くの写真家を輩出し、世界最高の写真家集団として世界各地で活動している。今回の展示には会長のクリスティーナ・デ・ミデル氏と南アフリカ出身のリンドグシェ・ソベクワ氏の作品も並んだ。


マグナム・フォト会長のクリスティーナ・デ・ミデル氏が撮影したベトナムの少女たち。支援団体のプラン・インターナショナルは現地で児童婚などの慣習から女の子を守る活動を続けている(展示作品から、提供写真)


マグナム・フォト写真家リンドグシェ・ソベクワ氏が撮影したエチオピアの難民キャンプに暮らすソマリア難民(展示作品から、提供写真)

Tシャツ収益は平和のための国際機関へ

主催のユニクロは、著名人が無償でデザインしたTシャツの収益金を貧困、差別、暴力、紛争、戦争によって被害を受けた人々の支援に活用する「PEACE FOR ALL」の活動を2022年からスタート。これまでに500万着以上を販売し、収益金15億円以上を寄付した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・インターナショナルの3団体に寄付してきた。


展示作品の一部はユニクロのTシャツとなり、世界中で販売。収益金は国際機関などに寄付される(ニッポンドットコム編集部撮影)

マグナムフォトの世界11都市の展示会も「PEACE FOR ALL」の活動の一環で、ユニクロは3作品をTシャツにプリント。世界各国のユニクロで販売し、収益の全額を上記3団体に寄付する。

世界各地での展示は以下の通り(出所:PEACE FOR ALLホームページ)

  • 英国・ロンドン(King’s Cross)9月13日~10月31日
  • 米国・ニューヨーク(UNIQLO 5th Ave)9月19日~10月31日
  • スウェーデン・ストックホルム(King’s Garden)9月19日~10月13日
  • 台湾・台北(UNIQLO TAIPEI)9月20日~10月30日
  • 韓国・ソウル(DRC Hongdae)9月21~25日
  • マレーシア・プタリン・ジャヤ(Sunway University)9月23日~25日
  • イタリア・ローマ(Galleria Alberto Sordi)9月21日~10月11日
  • シンガポール(VivoCity )9月20日~10月4日
  • 日本・東京(国連大学前広場)9月19~23日
  • 日本・広島(ひろしまゲートパーク)10月9~15日
  • ベトナム・ハノイ ※台風被害のため延期

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