写真・図版
デビューライブでの早川聖菜さん(左)と早川夢菜さん=大阪市阿倍野区

 アイドルグループの一員として4年弱にわたって活躍し、朝日新聞で経済に関する連載も長く担当した早川夢菜(ゆな)さん(21)がこのほど、姉の聖菜(せな)さん(23)と姉妹ユニット「More Sisters」を結成し、8月16日、大阪市阿倍野区でデビューワンマンライブを開催した。

 かつて姉妹でローカルアイドルとして活動していた2人だが、その後、姉は社会人、妹はメジャーアイドルグループの1人としてそれぞれの道を歩み、「自分たちの思いとパフォーマンスで多くの人を勇気づけたい」との考えで再び「合流」した。

 以前とは異なる環境のもと、姉妹で自ら作詞も手がけ、「自分たちの可能性を試すことができたら」と意欲を燃やしている。会場は多くのファンらで熱気に包まれた。

 夢菜さんは小6から高1にかけて、聖菜さんと2人でローカルアイドルとして活動。「昔から人前で歌ったり踊ったりするのが好きで、私自身もアイドルを見ていたらいやなことも忘れてキラキラした気持ちになれた。どうしてもアイドルになりたい、という思いで姉と一緒に始めた活動でした」(夢菜さん)。

写真・図版
デビューライブでの早川夢菜さん=大阪市阿倍野区

 2020年、夢菜さんは高3のときにアイドルグループのオーディションを受けて合格。コロナ禍で活動内容が制約され、アイドルとファンが直接交流できる機会も限られるなか、約1200日にわたってほぼ毎日、動画配信を継続した。

 画面を通じてファンとの「距離」を縮め、コミュニケーションを深める新たなアイドル像をつくった。

写真・図版
デビューライブでの早川夢菜さん=大阪市阿倍野区

 その間、アイドル活動に加え、舞台への出演など多方面で活躍。「素晴らしい活動環境に感謝しつつ、いずれ一人のアーティストとして勝負したいという夢をずっと持っていました」といい、今年6月にグループを「卒業」した。

 姉の聖菜さんは夢菜さんがアイドルとして活躍している間、社会人として映像関係の仕事などに関わってきたが、「どこか気持ちがふわふわしていたというか、夢をあきらめきれず、くすぶっていたものがありました」(聖菜さん)。

写真・図版
デビューライブでの早川聖菜さん=大阪市阿倍野区

 ただ、多くのアイドルやアーティストがひしめく芸能界の厳しさも知っており、夢菜さんから「再結成」の話を持ちかけられたとき、「最初に『本当に本気でやるつもりなのか』を確かめました」という。

 「More Sisters」というユニット名は聖菜さんが考案。「『もう一度、姉妹で』という意味もあるけれど、2人それぞれに違う道を歩んだ時期を経て、互いに様々な経験を積み、あの頃とはまた違う『もっと』深い、『もっと』心に届くパフォーマンスができるはず。その思いをユニット名に託しました」と聖菜さんは説明する。

写真・図版
デビューライブでの早川聖菜さん=大阪市阿倍野区

 妹の夢菜さんは「すぐ気に入って賛成しました。姉も私と同じ気持ちだったんだと思いましたね。やっぱり姉妹だなって」。

     ◇

 8月16日に開かれたデビューワンマンライブではさっそくMore Sistersのオリジナル曲が披露された。

 1曲目は聖菜さんが作詞した「2人の物語」。姉妹2人の歩みとこれからをうたったものだという。

 「心にしみるメロディーを聴いたとき、『これは2人のことを詞にするしかないな』と思いました。そこからはすぐに言葉が出てきました。この曲をデビューライブの最初にもってくることで、2人のスタートを象徴的に表現できたと思います」(聖菜さん)

写真・図版
デビューライブでの早川夢菜さん=大阪市阿倍野区

 夢菜さんも「回り道や寄り道もあったかも知れないけれど、こうやって2人がまた一緒に歩み始めることができて、2人が過ごした時間にそれぞれの深い意味があったと感じられる曲です」と話している。

 2曲目の「しゅきしゅきだいしゅき」は夢菜さんが詞を手がけた。「キャッチーでかわいい曲調の曲をと作曲家さんにお願いし、イメージ通りのものが届いてうれしかったです。歌詞の世界は、ファンの方々への感謝と愛の気持ちを反映させたものです」(夢菜さん)

写真・図版
デビューライブでの早川夢菜さん=大阪市阿倍野区

 詞に込めた思いについて夢菜さんは、「私はもともと自分を支えてくださるファンの方々への『愛』が強く、時にはそれが少し重すぎると思われてしまうこともあります。そのずっしりとした『愛』を詞にしていますが、アップテンポなメロディーとキュートな振り付けで、全体としてはちょうどいいバランスの曲になっていると思います」と笑う。

写真・図版
デビューライブでの早川聖菜さん(右)と早川夢菜さん=大阪市阿倍野区

 そのほかにも「アダルトビリーバー」「ねこてん」など、More Sistersのオリジナル曲が披露されたほか、ローカルアイドル時代の楽曲も歌われ、昔からのファンは思い出に浸るように聴き入っていた。

写真・図版
デビューライブでの早川聖菜さん=大阪市阿倍野区

 ライブを終えて聖菜さんは「多くの方に来ていただけて本当に幸せでした。これからはもっとたくさんの方にも知ってもらえるように大きなイベントにも出たいです。いずれは『国民的』といわれるような存在になるという大きな夢があります」と語り、夢菜さんは「まだ何の実績もないユニットのライブに、こんなにも多くの方が集まってくださり、恵まれているなあと思いました。たくさんの方を幸せにできる、ファンの方と一緒に夢に向かって突き進めるアーティストであり続けたいとも強く思いました」と述べた。

 「これから活動を広げていく中で、まだ出会っていない誰かにたくさん出会えて、私たちを好きになってもらえるように願っています」

     ◇

More Sistersとは

写真・図版
デビューライブでの早川聖菜さん(左)と早川夢菜さん=大阪市阿倍野区

 《More Sisters》今年6月、早川聖菜さんと夢菜さんの姉妹で結成。More Sistersの楽曲の一部は、同ユニットのYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@MoreSistersTV/videos)で視聴することができる。

 早川夢菜さんの誕生日である9月19日、聖菜さんの誕生日である10月3日にはそれぞれ記念のイベントが大阪市中央区のライブハウス「OSAKA RUIDO」で予定されている。

 また、夢菜さんは10月18~20日に兵庫県伊丹市の「AI・HALL(アイホール、同市立演劇ホール)」で開かれる舞台「真夏の夜の夢」に貴族の娘、ハーミア役で出演する。詳細は公式サイト(https://dysmic.world/stage/midsummer2024/)で。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。