情報や文化を独自の視点で組み合わせる「編集工学」を提唱し、日本文化を幅広く論じた編集者・著述家の松岡正剛(まつおか・せいごう)さんが12日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。80歳だった。葬儀は近親者で営んだ。後日お別れの会を開く予定。
1944年、京都市生まれ。早稲田大文学部仏文科を中退後、広告会社勤務を経て、71年に出版社「工作舎」を設立。雑誌「遊」を創刊し、みずから編集長を務めた。
82年に独立し、87年に編集工学研究所を設立。「情報の歴史」や「知の編集工学」など、情報や編集をキーワードに文明の歩みをたどる著作を次々と発表した。美術や宗教も幅広く論じ、「日本という方法」など日本文化論にも取り組んだ。
2000年からインターネット上で読書ガイド「千夜千冊」の連載を始め、今年7月の1850夜まで続けた。編集工学を教える「イシス編集学校」では校長を務めた。
93年に「ルナティックス」で斎藤緑雨賞を受賞。東京大客員教授や帝塚山学院大教授を歴任し、20年からは角川武蔵野ミュージアムの館長を務めていた。
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