【ニューヨーク時事】「ガチ(本気)で世界を狙いたい。海外を経験して楽しみたい」。米ニューヨークで開催中のグループ展で1日、青森市在住の画家、佐藤涼さん(44)が、来場者の前で絵の制作を披露した。生まれつき手足が不自由で、鉛筆を口にくわえて描く。実演では緊張と時間の制約もあって思い通りの出来栄えにならず「60点」と悔しがったが、国際的な活躍を目指す夢は膨らむばかりだ。

小学生当時に描いた絵がコンクールで評価されたものの、中学時代の厳しい個別指導に嫌気が差し、一度は絵画を断念。だが、20代で友人からその才能を改めて指摘され、活動を再開した。

「(他人の支援を受けず)独りで絵を描くなら鉛筆」と佐藤さん。「白と黒の間に無限の色があるんじゃないかな。絵に色がある方が華やかだが、見る側に委ね、それぞれの人の中にある色を見てほしい」と、自身の絵画の特徴を説明する。

口に筆をくわえて創作活動を続け、今年他界した詩画作家になぞらえ「星野富弘さんみたい」とよく言われる。「本格的に描くようになってから、星野さんの偉大さ」を認識したものの、「尊敬しているが、スタイルは違う」と強調。描き方でなく、絵の仕上がりだけで海外で評価されたいと願っており、今回のニューヨーク訪問は今後の個展開催に向けた下調べも兼ねている。グループ展は3日まで。

展示会会場で絵画を制作する佐藤涼さん=1日、米ニューヨーク

自身の作品の前で撮影に応じる佐藤涼さん=7月31日、米ニューヨーク

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