長崎県佐世保市の福井洞窟(同市提供)

 文化審議会は24日、後期旧石器時代から縄文時代草創期の石器や炉の跡が見つかった福井洞窟(長崎県佐世保市)を特別史跡にするよう、文部科学相に答申した。旧石器時代の遺跡が特別史跡となるのは初めて。他に、東日本最古級の大規模前方後方墳、高尾山古墳(静岡県沼津市)など10件の史跡指定も求めた。

 福井洞窟は奥行き5.5メートルで、1万9千~1万年前の15層の地層があり、年代ごとに特徴の異なる石器が出土した。洞窟が石器製作の拠点だったことを示唆する炉跡も発見。旧石器時代の「細石刃」と縄文土器の両方が同じ地層から見つかるなど、旧石器から縄文時代への変遷を明らかにする上で貴重と評価された。

 新指定の史跡10件のうち、黒山の昔穴遺跡(岩手県九戸村)や上野国分尼寺跡(群馬県高崎市)など6件は、史跡に指定する前段階から保護するため文化庁が2023年に「指定相当の埋蔵文化財」に選んでいた。

 大正時代の「西氏庭園」(金沢市)など2件の名勝指定も答申した。

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