新緑の中にそびえ立つ、黒々とした巨大な木。木の割れ目から歩を進めると木製の部屋が現れ、窓際では水着姿の男性が空を見上げていた。

 現代美術家の栗林隆さんが、宇都宮市にある大谷石の採掘場跡地に半年かけて制作した作品「元気炉」。杉の廃材などを再利用して作った巨木で、内部に幅2メートル、高さ1メートルの石が積み上げられている。

 観覧者は作品内に自由に入ることができる。木製の部屋には、窯で沸かしたハーブ入りのお湯の蒸気が送り込まれ、気温70度前後のスチームサウナのような体験ができるようになっている。

 4月にオープンし、関東圏を中心に150人ほどが訪れた。施設を運営する旅行サービス業「TRAPOL合同会社(大阪市)」の現地管理者の柿崎巧さん(34)は「アート作品に触れることで、言葉では説明しにくい何かを感じ取ってもらえれば」と話している。(長島一浩)

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