上方落語家の桂ざこば(かつら・ざこば、本名関口弘=せきぐち・ひろむ)さんが12日午前3時14分、ぜんそくのため、大阪府吹田市の自宅で死去した。76歳だった。大阪市出身。葬儀は家族葬で行う。後日、お別れの会を開く予定。

中学卒業後の1963年、上方落語四天王の一人、三代目桂米朝さんに入門した。桂朝丸を名乗り、威勢のいい若手落語家として注目されてタレントとしても活躍。日本テレビ系の「テレビ三面記事 ウィークエンダー」などに出演し、親しまれた。

88年、二代目桂ざこば襲名。99年に兄弟子の桂枝雀さんが死去した後は、米朝さんの事実上の筆頭弟子として一門を支えた。2008年、大阪市に一門の落語家らが出演する寄席小屋「動楽亭」を開設するなどし、上方落語の普及に貢献した。

「子は鎹(かすがい)」「一文笛」など人情味あふれる演目を得意とし、高座で怒り、涙する熱演も珍しくなかった。「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)などでの歯に衣(きぬ)着せぬ発言も話題となった。上方お笑い大賞などの他、17年には芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。

今年4月30日には、動楽亭で行われた弟子3人の襲名発表会見で元気な姿を見せていた。

桂ざこばさん

弟子3人の襲名発表会見でエールを送る桂ざこばさん(右端)=4月30日、大阪市の動楽亭

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