戦後の火災で焼損した奈良・法隆寺の金堂壁画(国重要文化財)の収蔵庫改修について専門家が助言する新たなワーキンググループ(WG)の設置を、保存活用委員会(委員長=有賀祥隆・東京芸術大客員教授)が9日、決めた。

 仏の世界などを表現した壁画は、7世紀後半~8世紀前半に描かれた。東アジアの仏教絵画の至宝とされるが、1949年の火災で焼損した。

 委員会は2015年、壁画の将来の一般公開を目指す寺が、文化庁と朝日新聞社の協力で設置。昨年5月、境内にある収蔵庫の改修方針などを示す提言を出した。

 委員会では現在、保存環境や建築部材など四つのWGが調査を進めているが、各WGから1~2人の専門家が参加する改修WGを今夏に発足。各WGと連携しながら、寺が進める収蔵庫改修の基本構想に対する助言や監修をする。現段階では、改修の開始時期は未定。

 法隆寺の古谷正覚(しょうかく)管長は「壁画の一般公開に向け、一歩進んだ。全国からクラウドファンディングで応援して頂いており、さらに具体的な歩みを進めたい」と話した。(筒井次郎)

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