大規模修理に向け、素屋根の建設が進む興福寺の五重塔=16日午前、奈良市

 奈良市の世界遺産・興福寺五重塔で、約120年ぶりとなる大規模修理に向け、塔を覆う「素屋根」の建設工事が16日、報道陣に公開された。素屋根は本年度中の完成を目指しており、しばらくの間は塔全体の姿が見えなくなる。奈良県文化財保存事務所によると、素屋根の完成後に進められる塔の修理は、2031年3月の終了を目指している。

 五重塔の大修理は1901年に完了した明治時代以来。今回の修理は、経年劣化が進む屋根のふき替えが主な目的で、しっくい壁も塗り直す。

 素屋根は今年7月ごろに完成する予定だったが、周辺に軟弱な地盤が見つかったことなどから設計変更が生じ、工期が延びているという。

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