島根県出雲市の国史跡、上塩冶築山古墳(6世紀末、円墳)の出土品を分析した研究成果を紹介するパネル展が、奈良県立橿原考古学研究所で開かれている。国重要文化財の「金銀装捩環頭大刀」は同研究所の調査で、古墳時代では初確認の「赤いさやの大刀」と判明。担当者は「出雲の史料の新たな成果を学んでほしい」と話している。
富雄丸山古墳(奈良市)で出土した国内最大の蛇行剣や盾形銅鏡の保存、分析も手がける同研究所は、出雲弥生の森博物館(出雲市)と共同で上塩冶築山古墳の出土品などを分析。金工品を中心に約50点を顕微鏡やエックス線を用いて調べた。
大刀は、さやに布が巻かれ、その上に赤い水銀朱が層をなして塗られていた。分析を担当した同研究所の奥山誠義総括研究員は「赤いものが見つかった瞬間は何が付いているのか疑問だった。赤く塗るものがあるのかと驚いた」と語った。
パネル展は5月20日までで無料。大刀などは出雲弥生の森博物館で同日まで開催中の企画展で見ることができる。
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