米国内で見つかり、3月に沖縄県に返還された琉球国王の肖像画「御後絵(おごえ)」が30日、那覇市の県立博物館・美術館で披露された。鮮やかな赤色の着物をまとった国王の姿に、招待された日米の関係者はじっくり見入った。

 公開されたのは、「尚清様」と記入がある御後絵と、3分割された状態で見つかった御後絵、陶磁器など計18点。2枚の御後絵は、大正時代に沖縄文化研究者の故・鎌倉芳太郎氏(1898~1983)が撮影した写真から第13代尚敬(しょうけい)王と第18代尚育(しょういく)王と考えられるが、損傷が激しいため、今回はパネル写真で披露された。

 県によると、今後は学識経験者による委員会を設けて鑑定を行い、実物かどうか確かめる。玉城デニー知事は式典で「琉球、沖縄の文化史を研究する重要な手がかりとなる。県民の心のよりどころとして大切にしていきたい」と述べた。(伊藤和行)

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